アメリカ人の物語

2017年2月4日土曜日

ニュース番組はこうしてできている―生放送に出て分かったこと

 これまで私はたびたびテレビに出ているが収録ばかりで生放送に出たことは一度もなかった。今回、生放送に出て、ニュース報道の裏側を見ることができたのでまとめておく。
 テレビのスタッフはとにかく忙しい。ある番組で私の出るコーナーは15分程度。その準備がどのように進んだか。
 放送日前日、番組のスタッフから電話が掛かってきた。明日の昼、東京のスタジオで出演できますかとスタッフは私に聞いた。私は了解してすぐに家から出た。新大阪駅から東京駅まで新幹線。東京駅からタクシーで局に直行。
 局ですぐに打ち合わせ。台本は大枠はできていたが詰めがまだだった。そこで1時間くらいディレクターや構成作家など3人くらいで詳細を詰める。
 スタッフが手配してくれたホテルに行く。ホテルで構成作家が仕上げた台本をメールで受け取る。内容をチェックして返信する。
 朝、放送の1時間以上前に局に入る。昨夜、チェックした点が反映されているか確認する。出番が近くなるとスタジオに入る。
 スタジオの一角に控え場所があってそこでアナウンサーと話す。アナウンサーへの情報の伝達はスタッフによって済んでいる。その他の点についてアナウンサーから質問を受ける。
 スタジオには30人くらいのスタッフがいる。曜日毎にチームがあって100人くらいが関わっているという。スタッフ、曰くいったい誰がどういう役割をしているのか自分も分からないこともあるという。
 コーナーが始まる直前まで差し替えやフリップの準備などがある。スタッフはとにかく早口の人が多い。特にディレクターともなると、私が少々説明を早口で言ってもちゃんとついてくる。私は専門的な話は聞かれない限りしない。一般的な説明を心掛けている。そして、簡単に総括して一言にまとめるようにしている。そのほうがテレビ的に使いやすいだろう。
 コーナーが始まる直前にCMがある。その間に配置に着く。実はCMの間に他の出演者にいろいろ聞かれた。話し掛けてこない人ももちろんいる。ただ私はCMの時間がどれくらい続くのか分からず、どこを見ればよいのか最初はわからずちょっと戸惑った。
 本番中、私はアナウンサーや出演者の会話を追いながら同時に向こう側でカンペを出しているスタッフを横目で見ていた。残り時間が出ているからだ。それを見ながら私は自分がどの程度の時間、発言できるか考えて発言の長さを調節していた。
 これは収録の場合は必要ない。なぜなら編集で時間は調整してもらえるから。ただ生放送では時間を気にしなくてはならない。視聴者はわからなかったかもしれないが、実は私は予定していた内容をすべて説明できたわけではない。出せなかったフリップもある。
 もし一人で話すのであれば時間丁度にできる。ただ他の出演者との兼ね合いもあるのでこればかりは仕方ない。本番中、実は私は台本を見ていない。進行はアナウンサーがやってくれる。プロに任せればよい。私はプロの仕事を手伝うだけ。
 コーナーが終わると私は講義があるので挨拶もそこそこにスタジオから飛び出してハイヤーで空港に向かった。講義に間に合ったのは言うまでもない。
 今回、生放送に出て分かったこと。何かを書くことを生業にする人間はテレビにたくさん出るべきではない。なぜか。本を書く人間とテレビに携わる人間のタイム・スケールは根本的に違うからだ。
 知識を育むためにはすごくすごく時間が掛かる。テレビはそのすごくすごく長い時間を買っていると言える。つまり、テレビはお金を対価に知識を持っている者から情報を吸収する。テレビに出ても知識は育まれず吸収されるだけ。したがって、本気で知識を育もうとする者はたまにテレビに出るくらいでちょうどよい。テレビに出ているからすごいと言われるようでは駄目。その逆でなければ。テレビの奴隷になってはいけない。
 このように考えている私がなぜテレビに協力したのか。スタッフが熱意を持っていると感じられたからだ。熱意がないなら私は途中でも帰っていた。

2017年1月29日日曜日

トランプ大統領の入国禁止令

大統領令13769号


 まず今回、入国制限を引き起こしている発端となっているのは、1月27日に発令された大統領令13769号である。「合衆国に入国する外国のテロリストから国民を守る」ための大統領令である。現時点ではまだ官報事務局のサイトではアップデートされていない。その目的は以下のように示されている。

 合衆国でテロ攻撃を企てる外国人から市民を守り、合衆国の入国管理を悪用する悪意を持った外国人が入国できなくすることが合衆国の方針である。

 大統領令13769号は、指定する7カ国からの入国を外交官や国際機関の職員を除いて少なくとも90日間禁止する。また難民の受け入れを120日間停止する。7カ国とは、イラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンである。対象国は今後、拡大される恐れがある。

大統領令13768号


 入国禁止が拡大された場合、どのような国々が対象になるのか。25日に発令された大統領令13768号を参考として見ておきたい。焦点になるのは「反抗的な諸国Recalcitrant Countries」について言及している第12節である。第12節の内容を簡単にまとめると以下のようになる。

 国土安全保障省と国務省は連携して入国管理の厳格化に努める。そして、国務省はアメリカから国外退去処分を受けた外国人を受け入れるように原籍国に要請する。
 
 では「反抗的な諸国Recalcitrant Countries」とは具体的にどのような国々を指すのか。それについては移民・税関取締局(ICE)副局長の証言が参考になる。
 アルジェリア、アフガニスタン、中国、イラン、イラク、リビア、ソマリア、ジンバブエ、シエラ・レオネ、ギニア、リベリア、コンゴ民主共和国、インド、パキスタン、ラオス、ベトナム、バングラデシュ、カンボジア、ドミニカ、ジャマイカ、アンティグア・バブーダ、セント・キッツ・ネービス、セント・ルシア、セント・ビンセント・グレナダ、トリニダード・トバゴなど23カ国。
 こうした国々も今後、入国禁止の対象になる可能性がある。ただ現時点では対象国は不明である。

大統領令の一時停止判決


 トランプ大統領の大統領令13769号に対して連邦判事は一時停止判決を下し、既に入国したビザ取得者を母国に送還すべきではないと言明した。判決には次のような文面が含まれている。

 2017年1月27日の大統領令で指定された国々から来た難民、ビザ取得者、そして、その他の人々に対する重大で取り返しのつかない侵害になる。

過去の事例


 今回のような事例は過去にもあった。2001年9月23日、ブッシュ政権は、テロリストの資金源を断つ目的で大統領令13224号を発令した。27の団体と個人が「グローバルなテロリストとして特別指定」され、資金支援が禁止された。
 連邦判事は、特定の団体と個人を大統領が恣意的にテロリストに認定できる点を問題視して、違憲判定を下した。判決には以下のような文面が含まれている。

 裁判所は、たとえテロとの戦いにおいても大統領権限に制限を設けず、基本的自由を踏みにじることは受け入れがたい選択肢だという判決を下す。

《追記》2月10日の日米首脳会談に関連して過去の天皇・首相の訪米について一覧にまとめた。

2017年1月24日火曜日

《ホワイト・ハウス》スパイサー報道官、南シナ海問題に言及

ショーン・スパイサー報道官は記者の質問に対して以下のように答えた。

「私は、彼らの南シナ海の領域は国際的な領域だと思っているし、我々はそこでの利益を守らなければならない。南シナ海の島々が事実上、国際的な領域であって中国の領域ではないのかと問われているのであれば、我々は国際的な領域が一つの国によって占められてしまわないようにすると断言する」

また中国との関係について次のようにも語っている。米中の経済関係が互恵的ではないと指摘している。

「数週間前、アリババのトップと会った時、中国に関して大統領は中国が我々にとって商品とサービスの大きな市場だと理解していた。・・・・・・多くの場合、互恵的な関係ではなく、多くの中国の企業や個人は、合衆国で商品やサービスを売る時に簡単にアクセスできる。・・・・・・中国に関する産業政策の問題点は、互恵的ではないことにあり、大統領は・・・・・・我々が中国市場に進出したいと考えていることを理解している。しかし、大統領はどのようにすれば我々が中国市場に入れるのか多くの懸念を持っている。だから我々はそのことについて検討しなければならない」

《ブログ主よりメッセージ》

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トランプ大統領、TPP離脱を公式宣言

目次


大統領覚書の署名
労働組合との会談
ビジネス・リーダーとの会談(日本に関する発言あり)

大統領覚書の署名


23日、トランプ大統領はTPP離脱を決定する大統領覚書(Presidential Memoranda)に署名。通常、TPPのような交渉は大統領の外交権限で締結できるが、その後、議会の承認を受けなければならない。オバマ前大統領はTPP交渉を推進していたが、議会の承認を得られずに終わった。今回、トランプ大統領が交渉を打ち切ると明言することでアメリカのTPP離脱は確実となった。

以下、トランプのコメント抜粋。

「誰もが我々はこの問題についてずっと話してきたことを知っている。アメリカの労働者にとってとても良いことを我々は行った」




労働組合との会談


「我々は貿易を行うつもりだが、一国一国ベースで貿易を行うつもりだ。もしどこかの国が不適切な行いをすれば、我々は貿易を終わらせる通知を送るだろう。30日以内に彼らがそれを是正するか、それとも我々が去るかだ」

「我々は、多くの人が我が国を出て行き、企業が我が国を出て行きような馬鹿げたことを止め、それを覆すつもりだ。君達(労働組合)は出て行こうとしていた多くの企業を我が国に取り戻した。そうした企業は多くの人々を雇用するだろう」

ビジネス・リーダーとの会談


「我々は中流階層と企業に対して大規模減税を行うつもりだ」

「もし君達が他国に出て行こうとすれば、もし君達が工場を閉鎖して2000人、5000人の人々から職を奪えば・・・・・関税を課して対抗する。・・・・・合衆国の人々を首にして外国に工場を建て、国外からアメリカに製品を流入させようとする企業には関税を課す」

冗長なのでポイントを簡単にまとめる。

国内に留まって操業すれば規制撤廃も行うし、減税も行う。しかし、もし国外に出ようとすれば高い関税を支払わせて制裁を加える。

日本との貿易については以下のようなコメントに注目。

「中国やその他の国々を見ると・・・・・・君達が中国やその他の国々に何かを売ろうとするのはとても大変だ・・・・・だから私は自由貿易を求めない。荒療治が必要だ。我々が諸国を公正に扱おうとしても諸国は我々を公正に扱おうとせず高い税金を課す。例えば我々が車を日本に売ろうとする一方で日本が我々に車を売ろうとした場合、日本で車を売るのはほとんど不可能なのに、それでも日本は車を大きな船に数十万台も載せて売りに来る。我々はそれは不公正だときちんと言わなければならない

《ブログ主よりメッセージ》

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ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領からトランプ新大統領への手紙

親愛なるドナルド、

バーバラと私は1月20日のあなたの就任式に出席できなくて申し訳なく思っている。私の医師は、もし私が1月20日に屋外で座っていれば、6フィート下に埋葬されることになるだろうと言った。バーバラも同じだ。だから我々はテキサスを離れられないと思う。
しかし、我々の精神はあなたと国民とともにある。あなたが偉大なる我が国を導くという大変な旅を始めるにあたって、私はあなたのために幸あれと願っている。もし何か助けが必要であれば、教えて欲しい。

敬具

ジョージ・ブッシュ

2017年1月20日

2017年1月22日日曜日

歴史家はどのように史実を検証しているのか

 史実の検証をどのように行うか。おそらく一般の方々には最も分かりにくい点だと思う。例えば私はジョージ・ワシントンが1789年に行った巡行についてその日程を明らかにしている。その結果は以下のようになる。一度、どのようなものか見て欲しい。



 さてこうした詳細な日程をどのようにして明らかにしたのか。種明かしをしよう。
 第一級史料はジョージ・ワシントン本人の日記や手紙。議会に示した日程表。それを見ればだいたい分かる。
 ただ問題として本人が書いているからと言ってその内容が正しいとは限らない。そこで傍証として他の史料を確認する。
 他の史料とは何か。当時の新聞や個人の日記や手紙である。ワシントンが街に来たという記事や様々な個人が日記や手紙でワシントンについて言及している。
 一番楽なのは史料集成の中にそうした記録が含まれている場合。史料集成とは歴史家などが史料を集めて編纂して刊行してくれているもの。値は張るが史料を探し回る手間が省ける。
 ただ史料集成に含まれていない史料もある。そのような場合、どうするか。
 地元の歴史協会に照会の手紙を送る。そんなことを調べている日本人などまずいないから概ね親切に教えてくれる。自分の目で確認したいものがあれば当然、現地に行く。
 ◯野さんが「学者とは、他人の書いたものを研究する人です」と言っているがそんなに単純ではない。確かに他人の書いたものを読む。ただしそれだけではない。史料を突き合わせ比較検証して何がより真実に近いか考える。むしろそっちの作業のほうが大事。
 歴史を本気で調べると、手間も時間もお金も莫大に掛かる。だから私は電子書籍も売るし、自分のサイトに広告も貼る。そうして一般の方々からお金をもらっているから当然、一般の方々に得られた知識を還元する。
 科研とか面倒なので自分で稼いだほうが早い。申請書とか書くのがうっとおしいし、採択基準が意味不明だし、天下りで教授になったりする人と違って私には学閥もコネもない。それに自分でやったほうが多くの人に私が調べたことが伝わる。それが重要。
 国会図書館にわざわざ見に行ったのに、内容がまるでない科研の報告書なんてざらにある。ほとんど誰も見ないうえに、形だけの内容がない報告書を作るくらいなら電子書籍やホームページで公開したほうがはるかにましだろう。

2017年1月21日土曜日

《ホワイト・ハウス発表》 トランプ新政権の政策概要

概要

 トランプ政権はどのような政策を推進するかアウトラインを発表。原文はホワイト・ハウスの公式ページに掲載。概要は訳者によるまとめ。
  1. エネルギー産業の規制撤廃。
  2. 外国への石油依存度を減らす。
  3. イスラム過激派のテロリスト根絶。
  4. サイバー戦争の推進。
  5. 減税と規制撤廃。
  6. アメリカの軍事的優位を保つための軍拡。
  7. 退役軍人の待遇改善。
  8. 警察力の強化。
  9. 犯罪歴を持つ不法移民を国外追放。
  10. 国民の銃を持つ権利の保障。
  11. TPP撤退とNAFTA再交渉。
  12. アメリカの労働者に不利益を与える貿易協定違反国に制裁を科す。
以下、全訳。

目次
アメリカ第一のエネルギー政策
アメリカ第一の外交政策
雇用と成長を取り戻す
我々の軍隊を再び強くする
警察機関の強化
すべてのアメリカ人のための貿易協定

アメリカ第一のエネルギー政策


 エネルギーはアメリカ人の生活に不可欠であり、世界経済の要である。トランプ政権は、勤勉なアメリカ人のためにコストを下げ、アメリカの資源を最大限活用し、外国の石油依存から脱却するエネルギー政策を遂行する。

 長い間にわたって、我々はエネルギー産業に課された重荷のせいで成長を阻害されてきた。トランプ大統領は、気候変動対策、水系保護のような有害で不必要な政策を廃止する。規制撤廃はアメリカの労働者の大いなる助けとなり、今後、7年間で300億ドル以上の賃金押し上げ効果があるだろう。

 健全なエネルギー政策は、まさにここアメリカにはまだ手を触れていない莫大な天然資源が眠っていると認識することから始めなければならない。トランプ政権は、シェール革命こそ数百万人のアメリカ人に多くの雇用と繁栄をもたらすと考えてる。我々は約50兆ドルのシェール、石油、そして、天然ガスを特にアメリカの人民が所有者である国有地に保有しているという利点がある。エネルギー産業から得た歳入を使って我々は道路、学校、橋、公共インフラを再建する。安いエネルギーはアメリカ農業の起爆剤となるだろう。

 またトランプ政権はクリーンな石炭技術を推進して、長い間、低迷してきたアメリカの石炭産業を再生させる。

 エネルギーの国内供給は、我が国の経済を促進することに加えて、アメリカの国家安全保障にとっても利益になる。トランプ大統領は、OPECやその他の我が国の利益に反するような国々に依存せずに済むようにする。同時に我々は湾岸諸国の同盟国とともに反テロリズム戦略の一環として積極的なエネルギー面のパートナーシップを築く。

 最後に我々のエネルギー需要は、責任ある環境の管理に対応するものでなければならない。クリーンな大気を守ること、クリーンな水を守ること、植生を守ること、そして、天然資源を守ることは、最優先課題であり続ける。トランプ大統領は、我々の大気と水を守るために環境保護局のやり方を変える。

 輝かしい未来は、我々の経済を活性化し、我々の安全を確実なものとし、我々の健康を守るエネルギー政策次第である。トランプ政権下のエネルギー政策でこそ未来が現実のものとなる。

アメリカ第一の外交政策


 トランプ政権は、アメリカの国益と安全保障に焦点を当てた外交政策を遂行する。

 力を通した平和が外交政策の柱である。この原則によって、より紛争が少なく、より共通の基盤を持った平和で安定した世界が作られる。

 イスラム国とその他のイスラム過激派のテロリストを打ち負かすことが我々の最優先課題である。こうした集団を根絶するために我々は、積極的な軍事連携作戦を必要に応じて行う。さらにトランプ政権は、国際連携を強化して、テロリスト集団の資金源を断ち、情報共有に努め、プロパガンダと人員募集ができないようにサイバー戦争を行う。

 次に我々はアメリカの軍部を再建する。我々の海軍は1991年の500隻の艦船から275隻の艦船に縮小している。空軍は1991年と比べておよそ3分の1、縮小している。トランプ大統領はこうした傾向を覆す。なぜなら我々の軍事的優位を絶対に保たなければならないと考えているからだ。

 最後にアメリカの国益に基づいた外交政策を追求するにあたって、我々は外交術を活用する。我々は海外まで敵を探しに行くことはなく、古い敵が友人になり、古い友人が同盟者になれば幸せであると世界は知らなければならない。

 世界はより強く尊敬できるアメリカとともにより平和で繁栄することになるだろう。

雇用と成長を取り戻す


 2008年の景気後退以来、アメリカの労働者と企業は第二次世界大戦以来、最も緩慢な経済回復を経験してきた。この期間でアメリカは、製造業でほぼ30万人分の雇用を失った。その一方で労働力におけるアメリカ人の割合は、1970年代以来、見たことがないほど低下し、国家の負債は倍増し、中流階級は縮小した。経済を軌道に戻すためにトランプ大統領は2,500万人の新しいアメリカ人の雇用を次の10年で創出し、年間経済成長率を4パーセントに戻すという大胆な計画を示す。

 成長戦略に基づく税制改革を伴った政策を開始することで、アメリカの労働者と企業は努力した稼いだドルをもっと保持できる。大統領の政策は、すべての課税対象区分のアメリカ人に対して減税し、税制を簡素化し、世界の中で高い企業税の引き下げを行う。時代遅れで煩雑な税制を改善してアメリカ経済を解き放ち、数百万人分の雇用を創出して経済成長を促進する。

 雇用創出者とビジネスマンとして大統領は、中小事業者や労働者をワシントン政界の支配から解放することが重要だと知っている。2015年だけでも連邦規制によってアメリカ経済は2兆ドルの損失をこうむった。だからこそ大統領は連邦規制の一時停止を提案し、連邦機関のトップ達に雇用を喪失させるような規制を特定して撤廃するように命じている。

 数十年にわたる取引の経験から大統領は、合衆国にとって最善の貿易協定を交渉する重要性を理解している。既存の貿易協定について交渉し、将来の貿易協定について強い姿勢を保つことで我々は、貿易協定が良い給料の雇用をアメリカにもたらすようにし、経済の屋台骨であるアメリカの製造業を支えるようにする。大統領は、アメリカの労働者を損なうような違法で不公正な貿易慣行に手を染める国には相応の報いを受けさせるとアメリカの貿易相手国に思い知らせようとしている。

 アメリカの労働者と事業者の傍に立つことで大統領の政策は、経済成長を促進し、2,500万人の新しい雇用を創出し、アメリカを再び偉大にする助けとする。

我々の軍隊を再び強くする


 我が軍人は世界でも最も強力であり、アメリカの自由の守り手である。だからこそトランプ政権は我が軍を再建して、退役兵がふさわしい扱いを受けられるようにできることは何でもする。

 我が軍はアメリカを守るためにあらゆる資源が無制限に必要である。我々は他国が軍事力で優位に立とうとするのを許さない。トランプ政権は高いレベルの軍備を行う。

 トランプ大統領は、連邦予算の軍事費上限を撤廃して、我が軍の再建案を議会に新しい予算として提出する。我々は軍部に将来の軍事的必要性に応じた計画を実行できる手段を与える。

 我々は、イランや北朝鮮といった国々からのミサイル攻撃に備えるために最先端ミサイル防衛システムを開発する。

 サイバー戦争は新しい戦場であり、我々は国家安全保障に関わる機密とシステムを守るためにあらゆる手段を講じなければならない。我々は、サイバー戦争における攻守能力を合衆国サイバー・コマンドにおいて発展させ、この重大な分野において最も優れたアメリカ人を採用する。

 我が軍が英雄的な人々から構成されていることを忘れてはならない。我々は、現役と退役を問わず軍関係者とその家族に最善の医療、教育、そして、支援を行う。

 我々は退役兵がいつでもどこでも適切な治療を受けられるようにする。病院を求めて長いドライブをする必要はもうない。後回しにされることはない。お役所仕事に悩まされることもない。我が国への犠牲と献身から退役兵は医療と支援を得ることができる。トランプ政権は、21世紀の退役兵や女性の退役兵の要望に応じられるように退役軍人省を変える。我々の改革は、腐敗して無能なうえに退役兵を落胆させてきた退役軍人省の官僚を解雇し、組織を近代化し、医療関係者が最高の治療を退役兵に与えられるようにする。

 トランプ政権の下では、アメリカは我々の退役兵への約束を守る。

警察機関の強化


 あらゆるアメリカ人の基本的権利は、安全な社会に住むことである。トランプ政権は、警察官が職務を遂行できるようにし、我々の街から犯罪と暴力を排除する。トランプ政権は、法と秩序を尊重する政権になる。トランプ大統領は、法警察官に敬意を表し、市民を守るという彼らの職務を支援する。アメリカにおいて警察に反感を抱く危険な風潮は間違っている。トランプ政権はそれを終わらせる。

 トランプ政権は、暴力的な犯罪を減らす。2015年、殺人はアメリカの50都市で17パーセントも増加した。25年間で最大の増加である。首都でも実に殺人は50パーセントも増えている。昨年だけでもシカゴで数千の銃撃事件があった。

 我が国はより強い法執行、社会への参加、そして、より効果的な警察を必要としている。

 我々の仕事は、暴徒達にとって快適な社会を作ることではない。我々の仕事は子供達に安全な通りを歩かせたいと願う親達にとって快適な社会を作ることだ。もしくはバスを待つ老人にとって。もしくは家から学校に向かう学生にとって。

 警察を支援することは、市民自身の自衛力を支援することである。我々は、あらゆる司法において憲法修正第2条に保障された権利を支持する。

 トランプ政権は、違法な移民、ギャングと暴力を止め、社会に麻薬が流入しないように壁を建設する。国境管理の法整備を強化し、不法移民の逃げ込み場所となっている都市を廃絶し、不法移民と関連した無法状態を変える。

 警察を支援することは、我が国に留まっている犯罪歴のある不法移民を国外追放することでもある。

 無実の者達の安全を守ることは政府の最優先課題であり、トランプ大統領は、あらゆるアメリカ人、特に長い間、ずっと安全な近隣というものを知らなかったアメリカ人の安全のために戦う。

すべてのアメリカ人のための貿易協定


 長い間にわたってアメリカ人は、一部のワシントン政界のエリートと内部者の利益をこの国の労働者の利益よりも優先させるような貿易協定を押し付けられてきた。結果として、ブルー・カラーの人々の街は、彼らの工場が閉まり、良い給料の雇用は海外に移ってしまうのを目にしてきた。その一方でアメリカ人は、貿易赤字の増大と製造業の空洞化に直面してきた。

 長年にわたる交渉経験から大統領は、貿易に関してアメリカの労働者と事業者を最優先することが重要だと理解している。公正な貿易協定に基づけば、国際貿易は、我々の経済を成長させ、数百万人分の雇用をアメリカに取り戻し、我が国の疲弊した社会を再生できる。

 こうした戦略をTPP撤退から開始する。そして、すべての新しい貿易協定はアメリカの労働者の利益にならなければならない。トランプ大統領は、NAFTAの再交渉を行う。もし協定国がアメリカの労働者に適切な取り分を与えなければ、大統領はNAFTAから離脱する意向を表明する。

 不成功の貿易協定に関する再検討に加えて、合衆国は貿易協定に違反し、アメリカの労働者を損なうような諸国に断固たる措置を取る。大統領は、すべての貿易協定に関する違反を炙り出し、あらゆる手段を使ってそうした違反を終わらせるように商務長官に命じる。

 こうした戦略を実行するために大統領は、貿易交渉に関して最も優秀なチームを結成して、アメリカ人が最善の交渉結果を得られるようにする。長い間にわたって、貿易協定は、ワシントンの既得権益層によって交渉が行われてきた。トランプ大統領は、人民のための貿易政策が実行できるように監督し、アメリカ第一主義を押し出す。

 公正で厳格な貿易協定のために戦うことで我々は雇用をアメリカに取り戻し、賃金を増やし、アメリカの製造業を支援する。

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