アメリカ人の物語

2017年4月9日日曜日

アメリカ歴史旅I―フロンシス亭(ニュー・ヨーク)

ここに掲載している写真はトレース自由だし何に使ってもOKだよ。今回は歴史絵画3枚に写真7枚。たくさんあるから分けて公開。

ニュー・ヨーク・シティにあるフロンシス亭。数々の建国史の舞台として登場する。場所はここだよ。


まずは歴史絵画から紹介。著作権失効しているのでこれも自由に使ってOK。


1,戦争が終わってジョージ・ワシントンが部下の士官達とフロンシス亭で別れを告げる場面。


2,フロンシス亭から出て去って行くワシントン。


3,19世紀末のフロンシス亭。角にある建物。


1,建物全体。煉瓦造り。19世紀末とは違って昔に近い感じに復元されている。Tavernは「居酒屋」だけど、お酒を飲むだけではなく、地元の人びとの社交の場であり、宿屋の役割も果たしていた。特に入り口付近をよく見てね。2枚目の歴史絵画に描かれている通りだよ。


2,看板。昔は字が読めない人もけっこういたから看板に絵を入れるのはけっこう重要。


3,ここは簡単に言えば貴賓室だね。壁画があったり、食器も陶磁器で豪華。普通の食器は木や白目、錫。ワシントンが士官達と別れを告げた部屋は残念ながら撮影禁止・・・。


4,これは鏡。鏡は基本的に舶来品で高価。燭台もなかなか素敵。


5,階段。木の手摺りの滑り具合が良い。


6,酒瓶。ガラス製造の技術が未熟なのでけっこう分厚い。これで殴られたらかなり痛そう。


7,フロンシス亭は今でも実際に食事ができる。当時の人びとの気持ちにひたれる。食事だけでもいいけど、資料の展示もやっているからそれも是非とも見て欲しい。

『アメリカ人の物語』から抜粋

 12月4日正午前、フロンシス亭の2階にある宴会場にノックスやシュトイベンをはじめとする40人程の将官が集まる。ワシントンがお馴染みの軍服姿で姿を現した時、一堂は敬意を示すために起立して総司令官を迎える。   
 ワシントンは、テーブルの料理を盛んに士官達に勧めたが自分はほとんど食べなかった。グラスが士官達の手に配られ、ワインが満たされる。グラスを掲げながらワシントンは話し始める。声はこみ上げてくる思いで震えていた。
「心一杯の愛と感謝の念を持って、諸君に別れを告げる。これまでの日々が栄光と誉れに満ちていたように、諸君のこれからの日々が順調で幸せなものとなるように強く願う」    
 士官達とともに乗り越えてきた8年間の苦難が一気に蘇ったのか。ワシントンの目には涙が光っている。涙を拭いながらワシントンはようやく言葉を繋ぐ。
 「私はあなた達一人ひとりに別れを告げに行くことができませんが、もしあなた達が私のもとに来てくれて握手してくれればありがたく思います」    
 最初に進み出たのはノックスである。この太鼓腹の元書店主は戦争開始当初からワシントンの下で働き常に忠実であった。感極まったワシントンは自らの言葉を裏切る。握手だけで済ませることはできず、無言のままノックスを固く抱き締めて接吻する。その間、2人の頬を涙が濡らしていた。
 次に進み出たのはシュトイベンである。この自らを貴族だと主張する男は、フォージ渓谷で大陸軍を鋼の軍隊に変えた。シュトイベンもノックスと同様に総司令官の抱擁を受ける。
 他の士官達も涙にくれながらワシントンから別れの接吻を受けた。その場に居合わせた者達はこの心の籠った別れの情景に心を打たれて誰も沈黙を破る者はいなかった。
 こうした情景からワシントンがその冷静沈着な仮面の下に熱い感情を持っていることが分かる。しかもワシントンはそうした感情を、威厳を損なうことなく示すことができた。この別れの饗宴で示したワシントンの姿勢は、どのような雄弁よりも士官達の心を打ったに違いない。   
 士官達の列が途切れた後、ワシントンは部屋を横切り、静かに手を掲げて別れの時が来たことを示す。そして、まったく後ろを振り返ることなくワシントンは部屋を出て行った。まるで魔法にでもかけられたように士官達は黙って総司令官の姿が消えた先を見つめていた。

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