アメリカ人の物語

2018年1月5日金曜日

高等教育とは何か

今日、学生に向けて高等教育とは何かについて話した。それをここにまとめておく。大学の先生とどのような話をするべきか。学生は知っておくときっと役に立つはず。

学生曰く、フランスについて何か学びたい。では君は何を知りたいのか。例えば香の比較文化史はどうだろうか。フランスと日本ではどのような香に関する違いがあるのか。

学生によれば、フランス人は香水を手に直接つける。その一方で日本人はお香を衣服に焚きしめる。その他にも昔から今までいろいろ具体例が出てきたが、それらをまとめて抽象化すると、フランス人は香を直接的に使用することが多く、その一方、日本人は香を間接的に使用することが多い。

高等教育は学生自身がそうした具体化⇔抽象化のような概念操作ができるようになることが目標。仮に本に「フランス人は香を直接的に使用することが多く、その一方、日本人は香を間接的に使用することが多い」と書いてあって、その言葉をそのまま誰かに言ってもまったく意味がない。本に書いてある言葉をそのまま覚えるのは高校までの勉強。自分で本に書かれてあるような言葉を生み出さなければならない。それができるか否かが高等教育を本当に身につけたかどうかの区別になる。

そして、学生と私の対話から「香によるマーケティング」なる発想が生まれた。もしかしてすでにあるかもしれないが、五感の中で視覚、聴覚、味覚を使った集客はあっても嗅覚や触覚を使った集客はあまりないのではなかろうか。しかし、嗅覚や触覚はその場に行かなければ体験できない強みがある。例えばマンションを売るのにそのマンションの周辺環境をイメージしたテスターを配ったり、いろいろなマーケティングができるのではないか。他にもルーブル美術館の公式パフュームとか施設のブランディングに使えるのではないかなど。

高等教育を受けて概念操作や教養を身に付けるといろいろな発想の種になる。それが高等教育の強み。高等教育は知的対話から生まれる。